現代最高のピアニストの一人であるマウリツィオ・ポリーニが3月23日に、現代日本の彫刻界を代表する大好きな彫刻家の舟越桂さんが3月29日にお亡くなりになりました。なんとも言えない無力感に苛まれているが、刻々と展覧会の締め切りが近づいてきている。ようやく墨色が決まりかけているが、作品完成はまだまだ先のよう。

スペインの巨匠ビクトル・エリセ監督が31年ぶりに撮った「瞳をとじて」をはやく見に行くことができるよう、今日もがんばって制作を続けます。

 

菊山武士

 

2尺×6尺サイズの初めて使う紙に、大好きな三好達治の詩を書いた。

この土という詩は今までも書いているが、横作品で作品下部に文字を書く構成は初めての試みであり、使用する紙も初めてであることから墨色がうまく出るかと少し緊張していたかもしれない。まだまだ作品として発表できるものではないが、書いていっても良いかと感じるものであった。

そのような日は、ぐっすりと眠ることができる。

 

菊山武士

 

書線に筆の毛の跡が残る作品。

墨にゼラチンを混ぜるというより、ゼラチンの中に墨を入れて制作するという方が合っているかもしれない。ゼラチンの性質上、気温が上がると溶けてしまい、平凡な淡墨の作品になってしまいます。

3月下旬になってもまだまだ寒い日が続いているので、このような墨色の作品の制作はできそうです。

でも、本当は暖かくなって欲しいと思っている今日この頃です。

 

菊山武士

 

 

 

 

草月流の創始者であり、国際的な評価も高い華道家である勅使河原蒼風。その創作活動の範囲は、華道に留まらず、絵画・彫刻・書道にも及んだ日本を代表する藝術家である。

その書は、自由で墨蹟風の重厚なものをすぐに思い起こされるが、僕が手に入れたこの蒼風の手による今で言う修了証書の類いのものの字は、とても強く深い線質で北魏風と言っていい素晴らしく魅力的なものである。

書には、「良い書」と「うまい書」があるが、これは「良い書」であると思う。

 

菊山武士

 

中国には、寿山石(福建省)昌化石(浙江省)青田石(浙江省)巴林石(内蒙古)と言う有名な印材がある。

各々の名石の種類や特質については、また書こうと思いますが、最近というか少し前から注目されているのが、ラオス石である。その名の通り、ラオスでとれる印材で、今まで中国以外でとれる印材(例えば韓国やタイ)は、その色・質的にあまり良いものとはされてこなかった。

この新しく採掘されているラオス石に関しては、その色の多様さや石質の良さから、現代中国の有名篆刻家からの評判も高いと聞いている。

ただラオス石は、中国で採掘された高級印材(寿山石の名石や昌化石の鶏血石など)ともとてもよく似ているようで、コレクター泣かせでもあるとか。

 

菊山武士

 

下の画像は、中国最高級印材の寿山石田黄と昌化鶏血石

今日は、一日中制作ができたのですが、なかなか良いものができず苦悶中です。

最初に少し良さそうなものができ、その後いろいろと頭で考えすぎて、ダメになっていきます。

頭で考えているもの以上の状態にならないと作品が出来てきません。まだまだ時間が必要なようです。

頭と身体がまだ一致していないようです。

 

菊山武士

 

毎年この時期から今年度の展覧会出品作品の制作が始まる。

普段からいろいろと構想(妄想?)はしているが、実際書いてみると全然面白くない。苦悶の道のりが今年も始まってしまった。花粉の飛散とともに。

 

菊山武士

 

書作品の制作において、墨色はとても重要なものです。磨ってすぐに書いた色としばらくおいてから書いた色は違うし、季節やおいておく環境により墨色が速く変わったりもします。

また墨と紙の相性もあるので、紙の種類によって墨色も変わってきます。

墨だけでなく、紙も古いものが良い仕事をしてくれるので、色々と集めるのに大変でもありますが、楽しみも大きいです。

 

菊山武士