いよいよ出品作品の締め切りが近づいてきた。

数日前くらいから、自分の意志とは違うところに筆が動き、線質も変わってきた。

もうすぐ終われるかも。

作品の制作が終われば、押印である。

どの印をどこに押すか、楽しみでもあり、緊張を伴う作業が待っている。

ここに紹介するのは、昨年の出品作品「回心」である。

「回」字、思った以上に筆が割れ、最初は失敗したかと思ったが、だんだんと良く見えてきて、これを出すことになった。

今年の作品は如何に?

 

菊山武士

 

今年も黄砂飛来のニュースをよく耳にする季節となりました。

花粉だけでも大変なのに黄砂までもと本当にゾッとするのですが、東アジア内陸部の砂漠などからやってくる事に少し感心してしまっている自分もいます。

僕が南京に留学していた当時、日本から南京への直行便はまだなく、必ず上海を経由して電車に乗り換えて南京を目指すのが普通であった。当時の中国の電車事情はお世辞にも良いとは言えず、特急の切符の当日購入が難しい時もあり、一度鈍行列車にしか乗れない時があった。上海から南京まで当時の一番早い列車で約3時間、僕がその時ようやく手に入れることができた鈍行列車は7時間くらいかかった記憶がある。ただでさえ留学したばかりで中国語もおぼつかない状態で、中国の人でごった返している硬座(ハードシート)に座り、ただただ緊張するばかり、その時列車の上の方からある視線を感じ、そっと上の方を見てみると、頭上の荷物置き場に寝転がっている人と目があった。その時緊張はピークに達し、その後は放心状態で7時間じっと固まり続けていた。永遠にも思えた7時間にも、終わりがあり、深夜の南京駅でタクシーを捕まえ、大学の寮に着いた頃にはもうヘトヘトであった。自分の部屋に戻り、荷物の整理をしながら、何の気なしに壁に貼ってあった中国地図を見た時、この日一番の恐怖を感じた。中国地図に載っていた上海から南京までの距離はほんの数センチ、その奥にはずっとずっと国土が続いているではないかと。7時間くらいで永遠を感じていては、この国では暮らしていけない。とんでもない国に来てしまったと。

そんな奥の奥の方から飛来してくる黄砂に、感心してしまうことがわかっていただけたでしょうか。

 

菊山武士

松阪市嬉野中川町を流れる中村川の土手に桜がたくさん植えられている所があり、毎年美しい景色でたくさんの人の目を楽しませてくれております。

 

菊山武士

 

 

桜を見に行ったこの日は、入学式の日でもあり、新入生とそのご両親が記念写真を撮られに来ているところに遭遇。

今年は桜の開花が少し遅れた為に、良い入学式になったんだろうなぁと勝手に妄想。新入学生には忘れられない春になったに違いないとこれまた妄想。

 

菊山武士

 

こちらは、三重県津市美杉町八手俣にある君ヶ野ダムの桜です。

僕らが行った日は、月曜日だったので、人出はそれほどでもなかったのですが、土曜・日曜日はすごい賑わいだったとの事を後で知りました。山桜もきれいに咲いておりました。

 

菊山武士

 

今日は、午後から雨が降るとの予報。今日を逃すと今年花見はできないのではないかと思い、両親を誘って、僕の住む三重県津市周辺何ヶ所か桜を見に行ってきました。

行った場所ごとに分けて、見ていただけたらと思います。

雨の中の桜を感じていただけると光栄です。

まずは、津市芸濃町北神山の安濃川の近くです。

 

菊山武士

 

筆はたくさん持っている。創作する作品や臨書するものにあわせ、大・小・長・短、また毛質の柔らかいものから硬いものまで。

また作品に変化が欲しいと思う時に、筆を変えるだけで、大きく様変わりしてくれることがある。

相性の良い筆は、値段ではない。僕の中国留学時代は、まだまだ物価も安く日本円で100円前後の筆がたくさん売っていた。その筆は、今も現役で僕以上にがんばってくれている。

僕は、筆を捨てたことがないので、増えていくばかりだが、不思議とよく手に取ってしまう筆がある。筆によるいろんな思い出があり、この筆はあの作品を書いてくれたのだなとか、この筆ならなんとかしてくれると信じ、本当になんとかしてくれたなとか。

下の画像で紹介する筆の中の一つは、30年前に100円くらいで買った大事な筆です。

 

菊山武士