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2021.03.31
残月 黒田清輝
昔、日動画廊にふらりと寄った時、夜が明け白々とした海の向こうに江の島。残月がぼんやりと描かれた小さな作品が目に飛び込んできた。
「宇都宮さん、黒田清輝の描いた「残月」ですよ」と永年の担当者。売りに出されたのは長年、NYに在住の日本人。そのご子息が、日動画廊に委託販売で売りに出された作品。いつもはその場で赤札をつけるのに、同じく現代作家の作品が飾られていて、僕自身はそれほど関心もない作家。知人にプレゼントを考えていた女流作家の作品が。物故作家より高く、少し価格交渉をして2作品を購入することにした。作家さんに問い合わせしたところ、びた一文価格交渉しないとの返事はなんと3,4日あと。それなら、「残月」をと言うと、昨日、売れてしまいましたと。
黒田清輝と吉田博の対談の写真を観たことがある。なにしろ黒田清輝の頭を殴ったことのある吉田博。第一回の帝展の受賞者は吉田博の「新月」湿り気のある空間をとらえた作品。黒田清輝の「残月」を観た時、吉田博の「新月」がすぐ僕の頭に浮かんだ。
日本橋高島屋の特別食堂の入り口に飾られているその現代作家の作品を見るたびに、黒田清輝の「残月」を思いだす。この名品はもう二度と観ることはないとおもうと・・・
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