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ビジネス書として読む川あさり十右衛門
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徳川三代将軍家光の時代は江戸に50万人の武家がおり完全な大消費地。
商才があればどんな若者でも成功する土壌があった。
伊勢から上京した若者は挫折して国もとの伊勢に帰るために小田原でまず宿をとる。
同宿した老人が若者からめしをついでもらいながら(当時はこれがしきたり)挫折した若者の身の上話を聞きながら「これから江戸はますます繁栄してゆく。
まるで宝の山のようなものじゃ。才覚あるものだけがその宝をつかむことができる。
宝の山をすててにげることがあろうか」と老人
「しかし、資本もない田舎者がひろい江戸の町に出たところで、大海にただよううごみのようなものでございまする。宝などどこにもみえませぬ」と若者
「宝が見えぬのは、その宝を見ようとせぬからじゃ。宝は見ようとする者にだけ見えるものゆえ、もう一度餓死するつもりで江戸にもどり、目をひらいて町を見なおしされ」
若者は江戸の町民が捨てた瓜やきゅうり(これこそが老人が指摘した江戸庶民の消費力と宝の山かもしれないとおもい)を漬物にして行商し富を蓄え、売り先の工事現場の長に見込まれ、日雇いの頭になり、やがて独立して、土木請負と材木商になり、明暦3年の江戸の大火事で材木をいち早くおさえ大きな富を蓄えた。
川あさり十右衛門こそ後の河村瑞賢。(司馬遼太郎 歴史のなかの邂逅3より)
ちなみに邂逅3で司馬遼太郎氏が取上げた人物は史上最大の悪人は誰なのか・・・がタイトルです
下手なビジネス書よりビジネスの成功譚が司馬遼太郎の平明な文章、視点、歴史観から書かれている。この司馬遼太郎歴史からの邂逅は、空海の風景と並んで好きな書です。
%E3%83%AD%E3%82%B4.jpg     りんどうの花言葉:「正義と共に勝利を確信する」「気遣う心」     
                   創徳企業情報 代表取締役社長 宇都宮徳治
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