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2017.11.27
ともだち
彼は新人の頃、配属した都内支店の時、競合大手4社の社長宅に訪問して顧客にした。「こんなのがあり?」と同期のみんなが唖然とした。理論も行動力も並外れていた。大学時代、慶応の空手部の誘いも断り、少年時代から通う空手道場の有段者だった。
バブル期の天井はまだ先の頃。ロンドン市場も日本が龍のように勢いついていた。ロンドン現地法人はセブン・イレブンの親会社サウスランドから売却のマンデートを取り意気けんこうだった。ロンドンに1ヶ月半いたが、週末は彼のクルマでロンドン、郊外を朝から夕方まで案内してくれた。おそろしいほど几帳面の奴だった。その彼も子会社時代のT社長のことにふれ、「恐ろしく仕事は厳しいが、経営者としても尊敬できる上司だと」「その後の役員人事からみて大きな潮の流れが変わったと」「その後の歴代のつくられた社長の経歴なんて、ひ弱で、嘘っぽく、小物だよ」ドバー海峡を見ようとクルマを走らせながら、しみじみと語ったのが印象的だった。

カンタベリー寺院の礼拝堂に行ったとき、彼が十字をきった時、そのしぐさにびっくりさせられた。酒も一滴も飲まないことは知っていたが、異郷の地、カンタベリー寺院でその仕草は想定できなかったし逆に彼のあり方全て観たようだった。

組織人として規範通り行動し、群れることなくロンドンの債券市場で毎日、毎日大きな商い、トレードをし、くたくたになってもさらりとかわす彼の人柄は異郷地で見直した。しかしサラリーマンとしての彼の人事異動はことごとく上司とはうまくいかず、不運の人生の連続だった。バブル期とロンドンそしてともだちT。いまも僕のいい思い出として。

ロンドンから戻ると彼は腐った人事、組織の会社へ早めに見切りをつけ、ヘッドハンティングされ外資で活躍の場を移した。
いつものように元文三年(1738年)3月26日入寂 前住隋流大風浅公禅師の過去帳を閉じ、明治元年9月27日84歳入寂 大阿闍梨権大僧都観祐法印を開いた。

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