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2021.06.25

芸術を語れますか　大村智

「宇都宮さん、紹介します女子美の理事長の大村智さん」と長谷川智恵子副社長から。入江観さんの日動画廊で開催された大個展で。女子美の教授でもある入江観さんの120号の「サントヴィクトアールとオリーブの樹」は今でも会議室に飾って来客の方をお待ちしている。北里研究所の理事でもある大村智先生はその後ノーベル生理医学賞を取られているが気さくの方。北里大学の埼玉に建設中の大病院をヘリコプターを飛ばし空からその大きさを確認、大村智さんの一大コレクションを移設された。先日、壷中居に行き細川護熙さんの伊羅保茶碗を受け取りに行き学芸員のGさんと茶を頂きながら話を。アンドレマルローが来日した時、日本の政財界の要人と会うも、芸術をだれも語れなかったことを、通訳をされた方が嘆いていたと。また、為替デーラーでは著名だった日本人デーラーがダントツ優秀な海外ファンドトップとの会食の場でマネーの話は一切出ず、出てくる話は好きなオペラ、好きな芸術家の話ばかり。これでは一流になれなかったことを実感したと。現在の日本を悲観した話を聞き、美味い茶を飲み干して、壷中居をあとにする道すがら、「あぁ、大村智先生」がいるのだと。

日光こもれび