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2021.11.18
美術部長I君

高校の時、野球部、ハンドボール部から3年に入って美術部に。多感とは言えいい加減。美術部長のI君は石膏像パルテノン首像（ラボルト）をいつもの定位置に座り、箒の穂先の一本を左手でかざしながら計り描いている。東京の夏期講習にも行っていた。隣で描いていてとてもかなわない。才能とはこのことかと。美術部長I君は多摩川美術大学に現役で入り、卒業後は信州の木曽の女子高の美術の先生に。そこの女学生と結婚したことを後年聞いた。プロの画家を目指すことなく、安定した生活のなかで好きな美術を教え、絵画を描いて定年を迎えた。人の一生の中で一番の幸福ものは自分の好きな仕事を見つけそれに従事したものだと福沢諭吉は言っている。彼は一番の幸福者かもしれない。

前田青邨おアポロン君

パルテノン首像（ラボルト）と前田青邨　鵜飼

 

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