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2017.03.17
日本的な美

西洋文化の美意識には時間が全然ない。たとえばレンブラントの絵画が描かれた時代と現代と時間が全然たっていないように、画いた時と同日のような色彩の感覚があったら、最高に喜ばれる。唯一、アラブ人の文化の中に時間を感じないとおもしろくないという考えが強いそうだ。アラビア語にバーラックという言葉があるが、ヨーロッパのことばバロックと密接な関係があるとドナルド・キーンさん。バーラックという意味は宝の意味。

時代とともに当時と何も変わらないのはバーラックでなく、たとえば3世紀まえからのこっていた味とか、ひびがついていたらそれこそがバーラックを感じさせる。それは千利休の精神となんらかわらないと。

日光東照宮の出来た時代、桂離宮ができている。徳川3代目になり体制が固まった時代に家康の御廟をつくり、それを諸大名につくらせた。要するに日本人が権力にたいしておべっか使いになった時期の、おべっかのかぎりを尽くしたのが東照宮とおもうと、司馬遼太郎。

むかし、拝観料を払い陽明門をくぐり廟にはいったが、はたと気がついた。ここまできて家康を拝むのは一度でやめた。それより輪王寺の2時間おきに行われる修行者による護摩供養のできふできを見るのが唯一の楽しみ。護摩とは不思議な作業だ。

とはいえ、4年ぶりの陽明門、司馬遼太郎のいう権力におもねるけばけばしい陽明門を観るとしよう。いまひとつの日本の美。

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